信濃川を舞台にした宇宙スペクタクル『光と音の祭典』の記録|長岡市政80周年記念事業

信濃川を舞台にした宇宙スペクタクル『光と音の祭典』|長岡市政80周年記念事業
長岡花火の歴史

市政80周年記念事業『光と音の祭典』

1986(昭和61)年に長岡市の市政80周年記念事業として開催されたイベントが『光と音の祭典』

長岡花火大会の翌日、8月4日に信濃川を舞台にして冨田勲氏のシンセサイザーと長岡大花火が協演しました。

長岡花火公式の歴史年表では、『市政80周年を記念した「尺玉80連発」の開始』としか明記されていませんが、音楽と長岡花火をシンクロさせた初の試みが『光と音の祭典』です。

当時のパンフレットから、どんな壮大なイベントだったのかを読み解きます(出典:市政80周年記念 光と音の祭典 )

ミュージック花火の起源!?

今では長岡花火を名物花火になっている天地人花火、復興祈願花火フェニックス、花火「この空の花」などのミュージック花火。

このミュージック花火で先駆けと言えるのが、1986年8月4日に長岡市の市政80周年記念事業として開催された『光と音の祭典』で打ち上げられた長岡大花火。

当時、世界初のイベントとして冨田勲さんのシンセサイザーの壮大な宇宙音とレーザー光線と長岡の大花火が共演しました。(サウンドクラウド)

今でこそコンピュータ制御で狂いもなく打ち上げることが可能になったミュージック花火ですが、当時は冨田勲さんと嘉瀬さんでどのようにタイミングを合わせていたのだろう…。

 

冨田勲のシンセサイザーと長岡大花火の協演『光と音の祭典』

市政80周年記念 光と音の祭典(長岡80年目の夏)

画像引用:市政80周年記念 光と音の祭典(長岡80年目の夏)

冨田勲のシンセサイザーと長岡大花火(10号玉早打80発正三尺玉1発ほか)の共演

信濃川を舞台にした宇宙スペクタクル「光と音の祭典」

その日─、宇宙の鼓動が聴こえるか?

「光と音の祭典」開催日・場所

とき 8月4日
ところ 信濃川長生橋下流

出演

  • 冨田 勲(シンセサイザー)
  • 千住 真理子(バイオリン)
  • 山口 五郎(琴古流尺八)
  • 嘉瀬 誠次(長岡の大花火)
  • 蜂谷 弘(第九合唱指導)
  • 長岡市民コーラス(第九大合唱350人)
  • 悠久太鼓連合会(悠久太鼓200人)
  • 桂 宏平(演出 )

イントロダクション

シンセサイザーの壮大な宇宙音と長岡の大花火が夜空で融け合い、さらに大地では、悠久太鼓と第九の合唱、尺八、バイオリンが協奏する一。

信濃川の広大な自然を舞台にした「光と音の祭典」は幻想的な宇宙空間を創造する一大スペクタクル。
とは言っても、具体的にはどのようになるのか、これはもう、見るしかない。

何しろ、世界でも初めての試みなのだから

その驚きと感動を新たな飛躍へのバネとし、その情熱を後世に伝えるためにもこのイベントは見逃せない

イントロダクション(導入)

原子宇宙…。それはただの小さな塊であった。
温度は数千億度、密度は水の数十億倍と、存在すらも超えた物質であった。
それには〈空間〉さえ詰まっていたのだ。

●アイヴス「ジ・アンアンサード・クエスチョン」
●レーザー光線

ビッグバン(大爆発)

百五十億年前…。その〈宇宙船〉は生まれると同時に大爆発。火球が大音量とともに四方にはてしなく広がっていった。

●R・シュトラウス「ツァラトゥストラはかく語りき」

広がりゆく宇宙

果てしなく膨張を続ける中で、宇宙の物質は、周りの物質と結合しながら原始的な星屑として生成されていった

●NASAの捕らえた宇宙探査船ボイジャーが土星の輪に接近したときの音
●ベスビアス大スターマイン10発

 

形成されていく宇宙

そしてそれぞれ巨大な塊となって再び分裂を繰り返しながら無数の塊に分かれていく。銀河やガス星屑、そして数えきれないほどの恒星や惑星が生まれていった

●ホルスト 組曲「惑星」より「土星」

 

太陽そして地球の誕生

45億年前、太陽系が誕生した。そこに原始の地球があった。

●レスピーキ「ローマの松」
●市民花火10号玉早打80発
●正三尺玉1発

次そして地球

〈原始の地球〉。←その地表のくぼみに海が呼吸を始めた。海のもつエネルギーは大地を形成し、
生命を育みながら進化していった

●ドビュッシー「沈める寺」

原始人たちの踊り

人類の誕生ー
原始人たちは過酷な地球の営みの中から一歩一歩進み、宇宙と地球の進化を受け継いだ

●ストラトヴィンスキ-「春の祭典」

宇宙からの呼びかけ

宇宙の広がり、星の輝き…。
永遠に生き続け、無限の神秘性を感じとる。
その渇きに宇宙からのメッセージを聴き、応えようとした。

●尺八「鶴の巣籠」
ボイジャーからの音、オリオン星雲からの電波音、
乙女座W星、ケフェウス座デルタ星からの”ささやき”

躍動する生命への賛歌

人類は常に明日を向き宇宙を星を身近なものにしていった
それは銀河系、地球そして地球上の生物とのかかわりの中から浮かび上がっていく、十億年前の生物たちが
母なる海を離れ、陸上に上がったように…。

●ラヴィエル「ダフニスとクロエ」
大手大橋から大地の音。悠久太鼓が躍動する生命の息吹を表現する。

宇宙への呼びかけ

宇宙時代へ─。
人類は地球から宇宙へと進出し、地表という制約から解き放たれる。
そして、他の恒星系に住む知的生命体に出会おうとする。

●映画「未知との遭遇」の
五音のメロディーが空に浮かぶUFOから降りてくる。この天の声にバイオリンが五音で応える。

宇宙への羽ばたき

さらに人類は太陽系をも離れ、遠く銀河系の恒星空間へも乗り出していく

●ホルスト「惑星」

宇宙賛歌

人類の願いは他の恒星系に住む知的生命体との友好的なコミニュケーション。
その出会いと未来への喜びの賛歌が永遠に刻み込まれていく

●長生橋から市民コーラス(ベートーベン「第九」)
天の声「オー・フロイデ(友よ)」に応え市民大合唱

エンディング

そしてフィナーレ
●ストラヴィンスキー「火の鳥」

雨吹き飛ばす情熱のファンタジー

 

「光と音の祭典」ーロメモ

総費用 1億3,300万円
市の負担は3,800万円。残りは市民と企業からの寄付。
レーザー 3基
照明
  • スポットライト1,000台
  • 10,000W アークサーチライト2台
  • 4,000W サーチライト 4台
  • 2,000Wサーチライト 2台
  • 照明オペレーター 130人
スピーカー 総数134本
パワーアンプ90台をセット、 総出力67,500W(日本武道館の6倍のパワー)
スピーカータワー 高さ13m、幅 13m 6基

 

画像引用:『光と音の祭典』

 

出典・引用

運営者の情報
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