機那サフラン酒製造本舗の見学
旧機那サフラン酒製造本舗は鏝絵(こて絵)の蔵が有名。
長岡市の摂田屋(せったや)にある旧機那サフラン酒製造本舗は鏝絵蔵、衣装蔵など見事な建造物、庭園、石垣などがあり醸造のまち摂田屋のシンボルのひとつ。
機那サフラン酒製造本舗は、2015(平成27)年から「機那サフラン酒本舗保存を願う市民の会(公式)」のガイドで開放日(土日・祝日)に鏝絵蔵、離れ座敷、錦鯉のいる池のある庭園が見学ができる長岡の観光スポットになっています。
敷地内にある主屋・離れ座敷・米蔵・衣装蔵・石垣など10件の歴史的建築物が国指定の登録有形文化財(建造物)に指定されています。
中でも、色鮮やかな鏝が描かれた鏝絵蔵は日本一の鏝絵と言われています。
機那サフラン酒製造本舗の公開
機那サフラン酒製造本舗の公開日は土日・祝日。
公開日の目印は入口にある「摂田屋の幟」と「本日公開中」の看板です。
公開されるのは庭園・離れ座敷・鏝絵の蔵。公開時間は朝9:30〜15:30※。
車でアクセスするときは近くにある市営摂田屋駐車場(38台)が無料で利用できます。
※ 2024年から公開時間は10:00 〜 15:00
機那サフラン酒の外観
機那サフラン酒製造本舗の主屋(明治中期)と鏝絵蔵(大正末期)がお出迎えします。どちらも登録有形文化財に指定されている歴史的建築物。
機那サフラン酒製造本舗の玄関側は東に面しているので日が当たる午前中がフォトジェニックです。
サフラン酒の主屋と看板
切妻造の重厚な玄関に掲げられた主屋は明治中期に建築されて、大正2年に増築されました。
離れ座敷や庭園を見学するときは主屋の中で受付します。(外観見学は自由)
サフラン酒の鏝絵
サフラン酒の鏝絵はアチコチで詳しく解説されているのでざっくり解説すると、
主屋の17枚の扉は、全て鏝絵で装飾。
鏝絵は14種類の動物・霊獣、9種類の植物が鮮やかな極彩色で描き出されています。
が!実際に鏝絵を見てもアートすぎて動物と植物の種類がいまいち判りません…
機那サフラン酒製造本舗鏝絵図鑑
サフラン酒の主屋(北面・南面・東面)と衣装蔵の鏝絵のすべてが解説してある「機那サフラン酒製造本舗鏝絵図鑑」があります。
扉それぞれに描かれている14種類の動物・霊獣、9種類の植物の鏝絵について解説してあるので図鑑を見ながら観覧するとバッチリ!
冊子「機那サフラン酒製造本舗鏝絵図鑑」は主屋で販売(200円⁉️)しています。
代金は機那サフラン酒本舗の保存費用に使われますので募金のつもりで鏝絵図鑑をお土産にしましょう。
鏝絵とは?
漆喰で作るレリーフで左官職人が鏝(コテ)で仕上げていくことから鏝絵と名がつきました。鏝絵は削って作る彫刻の反対で漆喰を盛り上げて表現する芸術作品。
機那サフラン酒「鏝絵蔵」の案内板
機那サフラン酒の建築物の前には、建築家の藤森照信氏が見所をガイドしてくれています。
鏝絵蔵は全国コテ絵番付があれば“横綱”ランク。
サフラン酒の鏝絵は大きく、壁から軒から戸袋まで全面展開の鏝絵絵が特徴的。さらに大振りな絵と色彩が鮮やかにして多彩なこと。
一階西側にはコテ絵はないけど、斜め格子パターンで白と黒のナマコ壁もお見逃しなく。
白と黒のナマコ壁
扉がなくコテ絵がない一面には漆喰を目地にかまぼこ型に盛り付けてある白と黒のナマコ壁。
斜め格子パターンが目を惹きます。
鏝絵のデザイナー
機那サフラン酒の鏝絵を装飾したのは左官職人・河上伊吉(かわかみいきち)。伊吉は機那サフラン酒本舗しか鏝絵に携わっていない稀有な存在です。
伊吉の装飾は極彩色が際立つブラックベースに立体感のあるダイナミックな鏝絵が特徴的です。
見逃せないポイントが鏝絵蔵の東面の隅っこ。
河上伊吉の左官・伊吉で「左伊」と記したサインを見逃さないように望遠で撮影しましょう!
創業者の吉澤仁太郎
機那サフラン酒本舗を創業したのは吉澤仁太郎。
贅を尽くしたド派手な鏝絵蔵など成金の悪趣味とも言われるけど
それ、誤報ですッ!
吉澤仁太郎は、事業が好調なことへの感謝と更なる繁栄の祈願として、縁起の良い四霊獣、四瑞獣、それに十二支のフルメンバーで蔵の四方と内外を飾ることで一族の守護と魔除けを神頼みしていたのかも!?
成金でも悪趣味でもなく家族思いの優しい人なんです。(俺考)
主屋と鏝絵蔵の内部見学
主屋の内部見学
主屋と鏝絵蔵の内部見学は受付で機那サフラン酒本舗の保存のための募金(200円〜)すると見学できます。歴史的建築物の保存のために募金をお願いします!
主屋の内部には機那サフラン酒本舗の昔の広告が展示されています。
昭和な雑誌やレコードもずらりとキレイに並べられている他にもレトロなコレクションが展示というか雑多に並べられている感じがいいね!
昭和8年の煙火目録
昭和8年に打ち上げられた長岡花火の煙火目録(複製)が掲示。
正三尺玉「機那サフラン酒の榮光」
煙火目録を見ると機那サフラン酒本舗は長岡花火で正三尺玉のスポンサーをしてました。
正三尺玉は長岡でも有数の企業がスポンサーとなり打ち上げる花火。かつての吉澤仁太郎藥房の栄光を伺えます。
鏝絵蔵の内部見学(1階)
内部見学は主屋の受付に機那サフラン酒本舗の保存のための募金(200円〜)すると見学できます。歴史的建築物の保存のために募金をお願いします!
鏝絵蔵の入口にある恵比寿と大黒天の大きな鏝絵が見事です。
醸造の街、摂田屋について映像で紹介しています。
機那サフラン酒 吉澤仁太郎の藥房
機那サフラン酒は発売当時、漢方薬配合の薬用酒や薬用葡萄酒を販売していました。藥房=薬局です。
鏝絵蔵の内部見学(2階)
鏝絵蔵の2階は仁太郎ワールドのコレクションルーム。
明治〜昭和初期のモノが雑然と並べられていてレトロ好きにはたまらない空間😆
機那サフラン酒の木製、ブリキなど数々の看板が並べられていました。
明治から引き継がれている機那サフラン酒のラベルも見逃せません。
吉澤仁太郎の表彰状
吉澤仁太郎が受賞した優良国産賞牌の賞状や当時の新聞広告なども展示されています。
銃印葡萄酒の半被
1905(明治38)年に製造を開始した銃印葡萄酒の半被
北越商工便覧の摂田屋の街並み
北越商工便覧は、大正8年に長岡市を中心として、新潟その他の商店、工場、醸造所などを絵で紹介した出版物。
北越商工便覧には摂田屋の街並みがいくつか描かれています。
機那サフラン酒醸造元 吉澤仁太郎
当時の摂田屋は、まだ長岡市でなく古志郡上組村攝田屋と言われていました。
鏝絵蔵は大正15年に建てられたのでまだありませんが、サフラン酒の看板はしっかりと掲げられているのがわかります。

出典:絵画北越商工便覧
初日初聲醸造製造元 長谷川弥吉
北越商工便覧には、現在の長谷川酒造もあります。長谷川弥吉さんは長谷川酒造の二代目(引用)です。

出典:絵画北越商工便覧
旧機那サフラン酒製造本舗の公開
公開日 | 土日・祝日(冬季除く) |
---|---|
公開時間 | 9:30〜15:30 |
駐車場 | 市営摂田屋駐車場 ![]() |
住所 | 長岡市摂田屋4丁目6−33 ![]() |
公式サイト | 機那サフラン酒本舗保存を願う市民の会 |
電話番号 | 0258-86-8545 |
鏝絵蔵の外観はいつでも見学できます!
もうひとつの吉澤仁太郎ワールド、機那サフラン酒製造本舗の「庭園・離れ座敷」の見学レポートもご覧ください。
旧機那サフラン酒の鏝絵蔵見学でよくありそうな質問
見学日はいつですか?
まるごと楽しむなら土日祝日!
鏝絵蔵の外観は自由に見学できますがせっかく見学するなら機那サフラン酒製造本舗をまるごと公開している土日祝がおすすめ。
土日祝はボランティアガイドによる案内で庭園・離れ座敷も見学できます。
公開している日は「摂田屋」の幟が目印です。
- 公開日 土日・祝日(冬季を除く)
- 公開時間 9:30~15:30
平日に来訪の方は「仁太郎ミュージアム(旧サフランあーとギャラリー)」にお越しください。
出典:にいがた観光ナビ
見学の料金はいくらですか?
無料です!
敷地内の見学は無料ですが、主屋や鏝絵蔵の内部見学は保存のために募金(200円以上)をお願いしています。
募金は機那サフラン酒製造本舗の保存・維持のために使わせていただいています。お気持ちで小銭をジャラジャとよろしくお願いします!
機那サフラン酒のアクセスは?
JR宮内駅から徒歩で10分!
宮内駅は長岡駅から1駅ですが電車の本数が少ないため時刻表をご確認ください。
長岡 IC から車で20分!市街地から10分!
ナビには目の前にある吉乃川(0258-35-3000)でセットするとバッチリです。
駐車場はありますか?
無料駐車場があります!
市営摂田屋駐車場
隣接している市営摂田屋駐車場を利用できます。
- 営業時間 9:00〜17:00
- 定休日 毎週火曜
- 台数 43台
JA えちご中越宮内支店(臨時駐車場)
徒歩5分の場所にあるJA えちご中越宮内支店の駐車場を土・日・祝日に限り利用できます。
- 営業時間 9:00〜17:00
- 定休日 平日
- 台数 80台
見学時間はどのくらいですか?
約1時間!
ボランティアガイドによる案内で庭園・離れ座敷も見学できます。
ガイドさんよっては熱い思いが溢れまくって説明が濃く(長く)なりがち…。
時間があまりないひとは先に伝えた方がいいです。
機那サフラン酒は購入できますか?
できます!
隣接している摂田屋6番街発酵ミュージアム・米蔵(公式)で販売しています。
- 営業時間 9:00〜17:00
- 定休日 火曜
近くに飲食店はありますか?
あります!
- おむすびと汁と茶 6SUBI(むすび)
発酵ミュージアム・米蔵内に併設されたSUZU GROUPのおにぎりショップ - 一福食堂
宮内エリアの老舗食堂。少年野球の打ち上げでご馳走された懐かしい思い出 - 喜味屋
「オモウマい店」でも話題のデカ盛り食堂
宮内駅前には、長岡生姜醤油ラーメンの有名店「青島食堂」もございます!