機那サフラン酒の歴代ラベルデザイン
機那サフラン酒は、吉澤家相伝の製法により、高貴なサフランを始めタイソウ (大棗)・カンゾウ(甘草) ・ケイヒ(桂皮)・チョウジ(丁子)など厳選された植物で調整したリキュール。
明治モダンなテイストが特徴的なの機那サフラン酒のラベルデザインは1892(明治25)年に商標登録したときから現在までほぼ変わっていません。
明治から現在の機那サフラン酒のラベルデザインを紹介します。
画像引用:機那サフラン酒本舗保存を願う市民の会
明治時代のキナサフラン酒
明治24年に商標登録したときのラベルデザインは情報が盛りだくさん。
機那サフラン酒の商標の説明文によると
「この商標は長方形の2欄を設け欄中に蜀紅形及び唐草を画き四隅に無類別製と書し、其の中に海中の双龍水上五つの茶寶の綴りの上に玉を争うの図を画き右側に登録、左側に商標、其の下に官許御薬キナサフラン酒男女諸病ニヨシ」
ラベルに記されているのは、
- 日本政府から許可された証「官許 登録商標」
- 薬用酒PRの「御藥酒」と「男女諸病ニヨシ」
- カタカナで表記「キナ サフラン酒」
- 住所は実家の「越後國古志郡中通村大字定明」
- 養子縁組の名前「小林仁太郎謹製」
昭和23年までの機那サフラン酒
昭和初期には海外にまで進出した機那サフラン酒。
一世風靡した時代の機那サフラン酒のラベルはゴージャスで6版印刷で金の箔押しがされていたそうです。
ラベルの表記もマイナーチェンジがあって機那(キナ)が漢字、住所も現在の摂田屋になりました。名前も「吉澤仁太郎謹製」になっています。
現在の機那サフラン酒
現在、販売されている機那サフラン酒のラベルはシンプル。
薬用酒ではなくリキュールになったり「吉澤仁太郎謹製」でないことですっきりしたデザインになっています。
現在の摂田屋では製造を終えた機那サフラン酒ですが2018年から新潟銘醸株式会社が製造を引継ぎ機那サフラン酒を製造・販売しています。
無類別製の仁太郎デザイン
1892(明治25)年に商標登録から一貫した機那サフラン酒のラベルデザインが無類別製と二匹の龍と宝珠。
どちらも初代吉澤仁太郎の想いを継承している絵柄デザインです。
鏝絵・機那サフラン酒の屋根の鬼瓦・鏝絵には龍が数多くみられることから、吉澤仁太郎は「龍」にとても思い入れがあったことが伺えます。
無類別製の文字
四隅に配置されている「無」「類」「別」「製」の文字。
無類別製(むるいべっせい)とは吉澤仁太郎が作った四字熟語⁉️で
類いない(無類)ものを特に念を入れてつくる(別製)
ことを意味して、機那サフラン酒は、唯一の存在であるという思いが込められています。(俺考)
二匹の龍と宝珠
中央に描かれた宝珠を掴んでいる二匹の龍。
宝珠を護っている守護神のようにも思えるけど実は双竜が玉を争う図!
明治24年の商標登録の説明書きにも 「玉を争う図」とあるようです。
常にアグレッシブに挑戦している吉澤仁太郎らしいデザインです。(俺考)
鏝絵蔵の東面にある鏝絵は、吉マークを間にした二匹の龍。機那サフラン酒のラベルデザインに似ています。
商標登録通知書
機那サフラン酒の商標登録通知書(明治十四年十月十五日)
機那サフラン酒のラベルのまとめ
機那サフラン酒のラベルを実際に見たいひとに朗報!
機那サフラン酒本舗は、土日・祝祭日に公開。
主屋と鏝絵蔵で吉澤仁太郎の機那サフラン酒コレクションが展示されています。
機那サフラン酒の保存費用に募金(200円〜)をすると、仁太郎ワールドの雑然としたコレクションルームの貴重な展示物の数々を見学できます。
旧機那サフラン酒製造本舗の公開情報
公開日 | 土日・祝日(冬季除く) |
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公開時間 | 9:30〜15:30 |
駐車場 | 市営摂田屋駐車場![]() |
住所 | 長岡市摂田屋4丁目6-33 ![]() |
電話番号 | 0258-86-8545 |
鏝絵蔵の中には昭和レトロなコレクションがたくさんあります。
鏝絵蔵の見学だけじゃもったいない!機那サフラン酒本舗をまるごと楽しみましょう。
鏝絵蔵の外観はいつでも見学できます。