長岡のシンボル『長生橋』の歩道橋|歴史・構造・製作メーカーまで徹底解説

長生橋の歩道概要
長生橋の取説

長岡のシンボル『長生橋』の歩道橋|歴史・構造・製作メーカーを徹底解説

長岡市の信濃川に架かる長生橋は1937年(昭和12)に完成した長岡のシンボルで、長岡花火の仕掛け花火でもお馴染みの橋です。

かつては歩道がなく、歩行者と自動車が同じ車道を通行していましたが、交通量の増加に伴い安全対策として1972年(昭和47)に歩行者・自転車用に幅2.5mの歩道橋が整備されました。

長生橋の歩道は、通勤通学の生活道路であると同時に、四季の信濃川や長岡の街並みを楽しめる散歩道として利用者や長岡市民に親しまれています。

2017年からは長生橋をライトアップする設備が設置されて、夜間になると長生橋のトラス橋を夜空に浮かび上がります。

この記事では、長岡の象徴ともいえる長生橋の「歩道」に注目して長生橋歩道橋概要を紹介します。

昭和47年に設置された長生橋の歩道

撮影:長岡花火ドットコム

オリジナルの長生橋

1959年(昭和34)に西詰(左岸側)から撮影した長生橋の写真です。

歩道橋は無くて歩行者、自転車と自動車が混在して長生橋を通行しているのがわかります。

歩行者と車が混在している長生橋の西詰 撮影:1959年(昭和34)

白黒写真を Google の生成AIでカラーにしています。

 

オリジナルの長生橋は、そっくり(当たり前)ですが歩道橋が無いためスッキリした見た目で橋脚も心なしかゴツくない感じ!?

歩行者と車が混在している長生橋の西詰 撮影:1959年(昭和34)

白黒写真を Google の生成AIでカラーにしています。

幅2.5mの長生橋歩道橋

長生橋の歩道橋は、幅 2.5mで下流側に設置されています。

もうちょっと広ければいいのに…..。と思っちゃうけどこれがギリギリの設計限界。

歩道橋の設置は、昭和12年に設計したときは想定していなかったので歩道橋用の橋脚スペースがありませんでした。

そこで、もともとの橋脚からどうやって歩道橋の橋脚を作るのが考え抜いた結果がいまの歩道橋なのです。

広げたくても橋脚にスペースが無くて今が限界の広さ。

やさしい気持ちですれ違いましょう。

長生橋の下流側に設置された幅2.5mの歩道橋

撮影:長岡花火ドットコム

歩道橋の橋脚

普段、気にしていない長生橋の足元を支える橋脚。

長生橋の13基ある橋脚の内、11基は旧躯体門型ラーメンより張出して歩道橋の橋脚にしています。

左側が歩道橋で河川敷から長生橋を見上げると構造がよく見えます。

長生橋の旧橋脚を改修して増設した歩道橋の橋脚

撮影:長岡花火ドットコム

歩道橋に設置されたライトアップ装置

歩道橋の欄干には、長生橋をライトアップしているLED装置が設置されています。

LEDライトは全部で24基が設置されて、ゲルバートラス橋の13連上曲弦方式のトラスを闇夜に浮かび上がらせています。

長生橋歩道橋に設置されているライトライトアップ装置

撮影:長岡花火ドットコム

毎月、啓蒙活動のテーマによってライトアップカラーが変わります。長生橋のライトアップカラーやその意味も詳しく解説しています。

 

長生橋のライトアップは「長生橋を愛する会」が実施して、LEDライトの設置は長岡地域振興局が行なっています。

歩道橋を製作した日立造船エンジニアリング

長生橋の歩道橋部分(橋桁の躯体)は、日立造船エンジニアリングによって製作されました。

日立造船エンジニアリングは、現在のカナデビア株式会社にあたります。(出典:ウィキペディア

もともとの商号は大阪鐵工所で、長生橋の建設(1937年(昭和12)を手がけた企業でもあり、長生橋と深い縁を持つ会社です。

カナデビアは、長岡まつり大花火大会でも1995年からスターマインの協賛を続けているなど、長岡との結びつきを今も大切にしています。

 

長岡工事々務所の長生橋歩道橋概要

長岡工事々務所が制作した長生橋歩道橋を解説したパンフレット「長生橋歩道橋概要」をご案内します。

長生橋歩道橋が建設された当時の交通量やスペック、歩道橋の図面が描かれた貴重な史料です。

長生橋歩道橋概要

一般国道8号線の信濃川に架橋される長生橋は、昭和22年11月誕生以来35年間、本路線の重要な役割を荷っていたものであるが、近年交通量の急激な伸びに伴い(昭和47年3月観測、自動車類 13,084台/12h、原付二輪車 1,448台/12h、歩行者1,476人/12h、自転車978台/12h、荷車54台/12h)現橋では中員が狭隘なため、歩行者の渡橋が危険な状態になり、歩車道分離による歩行者、自転車、荷車の安全渡橋対策として歩道橋を設置したものである。(引用:長生橋歩道橋概要(建設省長岡工事事務所)

長生橋の概要

竣功年度 昭和12年11月
橋長 851 m(1@68.0+11@65.0=715.0+1@68.0)
巾員 7.0 m
設計荷重 12 t
橋梁型式 ゲルバートラス
下部工 イ)橋台2基コンクリート造り重力式
ロ)橋脚 11基コンクリート造り門型ラーメン(基礎ケーソン)

(出典:長生橋歩道橋概要)

歩道橋の概要

竣功年月日 昭和47103
橋長 851 m
巾員 2.5 m
設計荷重 350 kg/ma
最急縦断勾配 9 %
横断勾配 1.5 %片勾配
桁高 2.0 m
橋梁型式 プレートガーター
下部工 イ)橋台 2基 コンクリート造り重力式継足
ロ)橋脚 11基 旧躯体門型ラーメンよりの張出し方式
消雪設備 イ) 井戸 φ300m/m 井戸深さ右岸80m 左岸60 m
ロ)水中ポンプ φ125m/m19KW 場程1250ℓ/分
ロ)配水管 125m/m 自動制御装置付

(出典:長生橋歩道橋概要)

長生橋の歩道橋まとめ

昭和12年の完成した長生橋は、長岡の民にとって生まれた時からそこにある存在。

あるのが当たり前すぎて逆に長生橋のことをよく知らない!?

さらに歩道橋については、長生橋のオプション的な存在としか思ってなくてありがたみも薄っすら…。

だめじゃん!!

長生橋がこれからも長岡のシンボルであり続けるように、長生橋をもっとよく知って、大切に利用していきたい。

長生橋については、長岡土木事務所のOB 吉野利夫氏が苦心して収集した『長生橋関係資料集』に歴史や経緯などがまとまっています。吉野利夫氏から提供してもらいましたので興味のある方はぜひご覧ください。

 

出典・引用

  • 1959年(昭和34)撮影の長生橋写真(ジオテクサービス株式会社)
  • 長生橋歩道橋概要(建設省長岡工事々務所)
長生橋歩道橋概要 表面

長生橋歩道橋概要(建設省長岡工事事務所)

長生橋歩道橋概要 裏面

長生橋歩道橋概要(建設省長岡工事事務所)

運営者の情報

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